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チベット応援団ブログ 庄司いずみさん(野菜料理家)

タシデレ!

チベット応援ブログ、今回のゲストは野菜料理家の庄司いずみさんです。このたび、庄司先生にタシデレのヴィーガンメニューの開発をしていただくことになりました。

タシデレと庄司先生のつながりも面白いです。タシデレ店主ロサンさんの奥様・奈津子さんが庄司先生の料理教室に通っていた関係で、先生のSNSを見ているうちに、奈津子さんとお付き合いのある太田康子さん(チベットに長年ご縁がある方)が庄司先生の親族だということがわかり急接近。このたびのメニュー開発の監修をしていただく流れになったのです。

タシデレチベット料理にヴィーガンを

娘の授乳とスーパーモデルの食生活を知って野菜中心に

今でこそ、ヴィーガンという言葉が浸透してきましたが、庄司先生は以前から”野菜料理家”として活動されてきました。どのような経緯だったのでしょうか?

今27歳になる娘がいるのですが、娘が生まれた時に母乳の授乳のトラブルがあったのです。そのとき助産師さんから、肉や魚など重いものを食べないで、しばらくはおとなしい野菜とごはんの食事にしてくださいねと言われたのが直接のきっかけでした。授乳中だったので、食べたものがはっきり出るのですよね。食べたものというのはこんなに体に影響しているということに気がついたのです。

時を同じくして、当時マドンナというアメリカの有名な歌手がいて、マドンナがマクロビオティックをやっているとか、スーパーモデルはベジタリアンが多いといった情報が出始めた頃でもあったのですね。

それらを見聞きして、そういうライフスタイルがあるのだったら、栄養的にも問題がないのだったら野菜中心の食生活もいいかなと感じたのです。ということで、娘が27歳だから、20数年前くらいから徐々に野菜中心の生活に切り替わっていきました。

味の優しいチベット料理はヴィーガンにとっつきやすい

今回タシデレのヴィーガンメニューのレシピ提供や監修などをして頂きました。チベットと日本の食文化の違いについて何か感じたことはありましたか?

正直、チベットの料理ってそんなに私たちに馴染みがないじゃないですか?インド料理やタイ料理のように、たくさんお店の選択肢があるわけではないので、まだ手探りでこれから勉強していく感じではあります。

ただ、今回ご縁ができてタシデレの料理を食べてみたところ、すごいスパイスが効いているという感じではなくて、優しい味で日本人に馴染みやすいかなという気がしました。スパイスがきいている料理だとしても、辛いなら辛いといったシンプルなイメージですね。なので、すごくとっつきやすいのかなという気がしています。


(タシデレでヴィーガンメニューの監修をする庄司先生)

チベット料理で使われる食材で、興味深いものありましたか?

ツァンパですね。今まで知らなかった食材だということもあるのですが、きな粉のように癖や個性が強いわけでもなく、小麦粉や米粉のような感覚でいろいろな料理に使えるのではと思いました。とろみづけや、唐揚げの衣に使うなど、ヘルシーな素材としてこれから注目されるといいなあという気持ちで試作しています。


(庄司先生監修:ツァンパの衣で揚げる豆腐唐揚げ)

今回タシデレにご提供いただいたレシピにどんな思いを込められましたか?

ちょうど今の時期に、チベットにも「サカダワ」と呼ばれる精進の期間があるそうなので、タシデレの精進メニュー「サカダワ・ヴィーガンプレート」を監修しました。

ヴィーガン料理を食べてもらうときに、『まあ精進だからしょうがないよね。あのおとなしいご飯で我慢しよう』という感じではなく、あの精進メニューが楽しみだねと積極的に思ってもらえるような料理に仕上げたいと思いました。これからも、普段のタシデレのメニューにも加えてもらって、あの精進メニューが食べたいと、ヴィーガンでない人にも思ってもらえるような、そんな料理を提案していきたいと思っています。


(庄司先生監修:サカダワ・ヴィーガンプレート)

ヴィーガンの広がりが日本の食文化を変えていく


(進化するヴィーガン料理:ヴィーガンこんにゃく唐揚げ)

大豆ミートなど最近浸透してきていますが、ヴィーガンとして今注目している食材はありますか?

ヴィーガン料理の幅ってどんどん広がってきていると思うのです。私が20数年前にベジタリアン料理にトライしてみようと決めた頃は、大豆ミートすら特別な場所に行かないと手に入らなかったので、野菜をどう料理しようかという感じだったのです。

今は大豆ミートも手に入るし、ヴィーガンのチーズやバターみたいなものから、「ほぼたま」といって、ほぼ卵のような素材など様々なものが出てきているのです。ヴィーガン料理の可能性が本当に広がってきていると感じています。


(庄司先生監修:ヴィーガン肉団子<ソイミート>)

日本の食文化は変わっていくと思いますか?

欧米に比べると、日本は食の多様性に関して、ヴィーガンやベジタリアンというものにも若干遅めじゃないですか。だんだん変わっていくんじゃないかなと思います。例えば、仏教のあるところには精進の文化があると思いますが、ある期間は肉や魚を食べないという文化はアジア圏にもたくさんあるし、日本もそのように変わっていかなきゃいけないんじゃないかなとは思いますね。

本当に美味しいと思えるヴィーガンを目指して


(庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ)

これからどんな活動をしていきたいですか?

植物性100%パーセントの料理は、体にも良いし、美容にも良いし、環境にも優しい。さらに動物にも優しい。良い食スタイルだと思って私は実践しているのですけど、世の中の人すべてがヴィーガンになるのは難しいですよね。好みもあるし、これまでの食文化もありますから。

なかなか難しいことではあるのですが、できるだけ多くの人に取り入れてもらえるといいなと思っています。週に一回、月に一回でも、その人のペースで、あのメニュー美味しそうだからヴィーガンにしようとか、焼き肉やカレーが続いたから今日は野菜にしてリセットしようとか、そんな時に楽しんでもらえるヴィーガン料理を提案したいと思ってずっと活動をしてきています。

みんなが楽しめる料理を伝えていきたい。その思いだけですね。

語り出したら止まらない。庄司先生と奈津子さんのヴィーガンへの思い

(庄司先生監修:バナナとココナツミルクのアイスクリーム)

今までヴィーガン料理を食べたことのない人の胃袋を掴むポイントって何でしょうね?

ヴィーガン料理って、数年前は「健康でありたい」や「美しい体を維持したい」という健康志向の高い人やモデルさんのためのものだったと思うのです。そういう人が中心で広まっていきましたしね。でも、そういうヴィーガン料理って薄味でも、味にパンチが効いていなくても「体に良い=良いもの」という考えで味に拘らなくてもみんな食べてくれたのですね。

今はそうじゃないと思うのです。いろんな人がヴィーガンってどんなものか関心が強くなってきているので、そんなときに食べてみて、美味しくなかったらそこで終ると思うのですよ。今、みんなが興味を持ってくれているタイミングでこそ、普段食べているジャンクフードや、こってりしたものや、ハンバーグのようなみんなが馴染んでいる濃い味にできるだけギャップを感じないもの、何だったらそれよりも美味しいぐらいのものを作るのが一番大事なのかなと思っています。

みんなの胃袋を掴むために、もどしたソイミートにしっかり油(植物油)を入れるとか、塩味もバシッと効かせるとかね。


(庄司先生監修:ツァンパのトマトスープ)

庄司先生は毎日ものすごく忙しいのにお元気ですね。ヴィーガンが元気な身体を作っていると思いますか?

普段の生活から大きくはずれた食事をすると、体に負担がかかると思うのです。みなさんも、たまにお付き合いでたくさんお肉食べたり、消化に重いものを食べたりするとすごく疲れませんか?人のエネルギーって消化に相当取られるのですよ。ヴィーガンの中でも、甘いものを食べすぎたときには体がだるいし重いし、肩までこってきたりはしますね。

まあ、自分の体に合ったヴィーガン料理を食べている限りは、おっしゃる通りかなり元気ですよね。うん。パワフルだとは思います。

 

このあとも庄司先生と奈津子さんの話は延々と続きました。すべてお見せできないのは残念ですが、タシデレに食べに来たときにはぜひ奈津子さんに話しかけてみてください。笑。


(店主ロサンラ(左)奥様奈津子さん(右)と庄司先生(中)タシデレにて)

 

チベットのつながりでご縁ができたタシデレと庄司先生。ヴィーガンへの思い、体への思い。社会への思いを熱く語るお話がとても印象的でした。これからタシデレのメニューに様々なヴィーガンメニューが追加されていきますので、みなさま楽しみにしていてくださいね!

庄司先生、ありがとうございました!

庄司いずみ先生 プロフィール

庄司いずみ
野菜料理家。日本ベジタリアン学会会員。かんぶつマエストロ。 ヴィーガン料理を紹介する著書は70冊以上。日本のヴィーガンブームを牽引してきた人気料理家。 主宰する『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ』は、日本初のヴィーガン料理専門スタジオとして知られ、国内外のトップシェフらとのコラボレッスンなどで注目を集める。 ヴィーガン料理の浸透を願い、商品開発やレシピ監修にも力を注ぐ。

庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ

 

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